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[遊び×学び1] エデュケーショナルトイ

2012.5.11 category : ブログ written by 関 康子

はじめまして。私の専門は、デザインや建築、アートの書籍作り、展覧会やシンポジウムの企画をすること。そして、2001年には、ロサンゼルスで映像プロデューサーをしている友人と「子どもの好奇心を刺激するエデュケーショナルトイを日本で創りたい」と意気投合し、「トライプラス」という会社を立ち上げ、『世界のおもちゃ100選』という本も出版しました。

書籍『世界のおもちゃ100選』の画像

世界のおもちゃ100選

私たちがいう「エデュケーショナルトイ」とは、自然科学からアート&クラフトまで、実際に観察したり、作ったりといった体験を通して、遊び・学べる、教材とおもちゃが合体したようなもの。オキドキサイエンスの山崎友紀さんと鈴木孝一さんの取り組みである、魅力的な実験材料、日頃から化学に親しめる理科教材の必要性も感じていたし、3人でブログを始めることにしました。

そもそも、私が子どものエデュケーショナルトイに興味をもったきっかけは、今から15年ほど前のこと。仕事柄、海外に行く機会が多く、取材の合間を縫っては現地の美術館、博物館などを訪ね歩いていました。すると、西欧やアメリカのミュージアムショップには、科学や自然の原理を学べるようなエデュケーショナルトイ、実験教材、図鑑などが豊富に取り揃えられていることに気づきました。どれもが、色や素材や形などデザインも優れていて、大人も思わず手にとって読んでみたくなるような解説書まで付いています。これならば、親子が一緒になって、科学や自然に対する興味を育み、もっと知りたい、学びたいという気持ちが大きくなるに違いないだろうと感じました。

日本は国土も小さく、資源も乏しいけれど、高い技術力を背景に優れた魅力的な工業製品を生産し、現在は世界有数の経済大国となりました。この発展を支えたのは優秀な人材です。現在も「科学技術創造立国」を目標に、人材育成に力を注いでいるけれど、子どもたちの理数離れが進んでいると聞いています。科学、自然、数学などの本当の面白さを知るには、先生から子どもへという一方通行の勉強だけでなく、遊び的な要素、つまり自ら発見したり、失敗したり、創意工夫や試行錯誤を繰り返すという双方向のコミュニケーション、「体験」が大切なのではないかと考えます。実際に、小学校にあがる以前の子どもたちは、ごっこ遊びや積み木など、さまざまな遊びという体験を通して、生きるための基本的な事柄を学びます。

次回から、遊びながら学べる遊具や場所、活動などをご紹介できれば、と考えます。

written by 関 康子

関 康子

デザインエディター、トライプラス代表 デザイン誌『AXIS』編集長を経て、フリーランスのエディターとして活動。2001年にはトライプラスを共同設立し、「good design for children」を目標に、子どもの「遊び、学び、デザイ ン」のための商品開発、展覧会・出版企画・編集にもあたる。2011年、「倉俣史朗とエットレ・ソットサス」展(2121DESIGN SIGHT)で、ディレクターを務める。女子美術大学非常勤講師。 著書に『世界のおもちゃ100選』(中央公論新社)、AERA DESIGN『ニッポンのデザイナー100人』『ニッポンをデザインした巨匠たち』(共著、朝日新聞社)、『超感性経営』(編著、ラトルズ)、「倉俣史朗とエットレ・ソットサス」(編著)など。

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