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[遊び×学び2] 海外事情

2012.6.1 category : ブログ written by 関 康子

・・・ということで、子どもの学びと遊びを融合できるようなエデュケーショナルトイの実現を目指し、主に先進国の科学博物館やショップなどを訪ねあるいていますけど、実際に訪問して印象に残っている施設とエデュケーショナルトイをご紹介しましょう。

エクスプロラトリアム
エクスプロラトリアム

アメリカ、サンフランシスコの「エクスプロラトリアム」は、1969年に創設された参加・体験型の科学博物館です。体育館のような大きな空間に、100以上もの、自然科学に対する「どうして?」「なぜ?」という子どもたちの探究心を刺激する手作りの装置が設置されています。ビジターは興味の赴くまま、思い思いのペースで自然科学や身体に関わるさまざまな装置を体験していきます。スタッフもたくさんいて、気軽に声を掛けてくれます。エクスプロラトリアムはオリジナルのグッズや出版活動にも力を入れていて、同施設の化学実験や自然観測の子ども向けのさまざまなノウハウをまとめた図録も発行しています。

ロンドン科学博物館レストラン
ロンドン科学博物館レストラン

ロンドンの科学博物館、隣接する自然史博物館もその質・量ともに世界トップレベル。とくに科学博物館は大英帝国以来の世界中の科学にまつわるコレクションが展示されています。2000年のミレニアムを機に、情報技術、生命工学、脳化学などの最先端科学を補完するために大幅な増築が行われ、内容がパワーアップしました。新しいエリアは、まるで映画のワンシーンのような未来的な展示デザイン、また親子で楽しめるレストランまで充実。エクスプロラトリアム同様、参加・体験型の装置を通して、子どもたちが最先端の科学を体験できます。ここのミュージアムショップも品揃えが大変豊富で、小さい子どもから小中学生まで、年齢にあったグッズや教材、書籍が取り揃えられていました。

国立科学博物館 体験型展示
国立科学博物館 体験型展示

欧米には他に、フランス・パリにあるラ・ヴィレット科学・産業シティ、デンマーク・コペンハーゲンにあるエクスペリメンタイルムなど、素晴らしい施設がたくさんあります。どこもショップでは自然科学、アート&クラフトなどの教材、書籍、文具などが豊富に取り揃えられ、気軽に購入できます。

一方、日本でも国立科学博物館などでは、体験型の展示などが充実してきました。ところが、ミュージアムショップは、アニメのキャラクターが付いたキーホルダーやぬいぐるみなどが多く、学びにつながるようなグッズや教材の種類が少ないのです。これだけモノが溢れている日本なのに・・・とても残念です。

 

関 康子

デザインエディター、トライプラス代表 デザイン誌『AXIS』編集長を経て、フリーランスのエディターとして活動。2001年にはトライプラスを共同設立し、「good design for children」を目標に、子どもの「遊び、学び、デザイ ン」のための商品開発、展覧会・出版企画・編集にもあたる。2011年、「倉俣史朗とエットレ・ソットサス」展(2121DESIGN SIGHT)で、ディレクターを務める。女子美術大学非常勤講師。 著書に『世界のおもちゃ100選』(中央公論新社)、AERA DESIGN『ニッポンのデザイナー100人』『ニッポンをデザインした巨匠たち』(共著、朝日新聞社)、『超感性経営』(編著、ラトルズ)、「倉俣史朗とエットレ・ソットサス」(編著)など。

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