こんにちは。鈴木です。
今日も、サイエンスに関するWeb上のサービスやデータベースを紹介していきます。
さて今回は、何度かご紹介しているザ・メイキングのある映像を取り上げます。
「板ガラス・鏡」です。
今回のソフト/サービス
ご紹介するのは、
・サイエンスチャンネル「THE MAKING(ザ・メイキング)」 です。
サイエンスチャンネルは、科学技術振興機構(JST)が提供する科学技術専門の動画サイトです。
その中のシリーズの一つとして、THE MAKINGがあります。
THE MAKINGは、身近な製品がどのような技術を使って作られていくのかを、
工場の映像と解説テロップで紹介していく番組です。
現在、288話あります。1話は約15分。
今回は、「板ガラス・鏡」について取り上げました。
というのも実は最近、高校の化学の先生方の勉強会に参加させていただいているのですが、
前回のテーマが「ガラス」だったのです。新化学技術推進協会(JACI)と旭硝子株式会社の方々が
「ガラス破壊実験」などを含む、様々なガラスのお話をしてくださいました。その中で、
ガラス製造工場の映像を授業で使いたい、という高校の先生方の声があったので探してみた、という経緯です。
映像
1998年制作なので、今からもう14年も前の映像ということになります。
製造技術も発達してることと思われますので、現在の状況とは少し異なるかもしれません。
とはいっても、溶融スズの上に溶かしたガラスを浮かべて真っ直ぐの板ガラスを作る「フロート法」などは、今も変わらず使用されているようですので、まだまだ参考になるかと思います。
映像の中身ですが、前半(-8:05)が板ガラス、後半が鏡の工程です。
下記のような流れになっています。
【板ガラス】
・工場の長さは600m
・主な原料は6種類
ケイ砂、ソーダ灰、ぼう硝、長石、苦灰石、ガラス片
・溶解炉に送られる(約1600℃)
・フロート法(2:26-3:00で登場)
残念ながら、フロート窯内部の映像はありませんでした。
(旭硝子のサイトに、内部を紹介したアニメーションがありました。)
・ゆっくり冷やす
・厚さをセンサーで測る
・切る
・切れ端のガラスは再度原料として利用
【鏡】
・ガラスを研磨
・研磨剤を水洗
・銀メッキ
・銅メッキ
・メッキ面を塗料でコーティング
・傷チェック
ちなみに映像に出てくる工場は、旭硝子の鹿島工場です。
(大学院の先輩が勤めている工場!)
「生産能力は1日当たり850tとアジア最大級で、国内で製造される建築用板ガラスの2分の1以上を占める」ようです。引用:SankeiBiz
余談ですが、強化ガラス(割れにくい)や防犯ガラス(フィルムが挟んであって貫通しにくい)の、
割れづらさを体感するため、金槌で力いっぱい叩いたりしました。貴重な体験でした。
それから、iPad2の表面にも使用されている「ドラゴントレイル」というガラスを見せていただいたのですが、
プラスチックじゃないの!?と疑うくらいグワングワン曲がりました。でも指でつついてみると、
やっぱりガラスの音がする、という最新のガラスも見せていただきました。
written by 鈴木孝一
鈴木 孝一
オキドキサイエンス代表。以前はデータマイニング会社に勤務してました。前職でのスキルを活かし、「Webときどきサイエンス」と題して、サイエンスに関するWeb上のサービスやデータベースを紹介しています。 最近の趣味は、実験キット開発と器械体操・アクロバットです。
[…] その過程では、以前のブログでも少し触れたのですが、 高校化学の先生方の研究会である次世代化学教育研究会(SCN)の皆様に ご意見をいただきながら教材化を進めて参りました。 […]